汗が出ない病気もあるんだって！？
汗をかかない病気の事を「無汗症」と言います。
筆者は手掌多汗症なので「汗をかかない事」を羨ましいと思ってしまいましたが
「無汗症」という病気はもしかすると多汗症よりも恐ろしいかも…という事が分かりました。
・無汗症の怖さとは？
・無汗症が難病指定？
3分ほどで読めます。
無汗症とは？
無汗症とはその名の通り「汗をかかない」疾患の事。
全身から発汗がないため体温調節がうまくいかなかったり、肌が乾燥してしまうので
痒みや肌荒れが続発します。
無汗症は「先天性」と「後天性」に分かれます。
単純に「生まれつき」なのか、「後から発生したか」で原因が異なると言われています。
無汗症の原因は？
無汗症の原因についてみていきます。
先天性無汗症の原因
ファブリー病などに代表される先天性の遺伝子変異が元になる疾患が無汗症の原因になる事が多い。
つまり遺伝子レベルだから「これ！」という原因の追及が困難という事。
後天性無汗症の原因
後天性の場合は「エクリン汗腺の異常」「交感神経に異常」「自己免疫性疾患」「服用している薬」などの影響を受け、合併的に発生する場合が多い。
上記のように何かしらの原因が分かると治療や対処のしようがあるのだが、後天性の無汗症の中に
「特発性後天性全身性無汗症」という原因不明の無汗症が存在する。
この特発性後天性全身性無汗症が「難病指定」の疾患にあたる。
未だ研究中だが、エクリン汗腺の汗率コリン受容体の自己免疫疾患なのでは？というのが有力。
全身性のステロイドを投与する事により症状の改善が見られる事から最善の手だと言われてます。
そもそも汗の役割とは？
汗の役割は「体温調整」です。
私たちがスポーツしたり、風邪をひいたり、暑くて熱が上がってきたら人は自然と汗をかきます。
それは人間が体温を一定にしていないと死んでしまうもろい生き物だから備わっている機能です。
汗がなくなると私たちは体温を一定に保てなくなり、体内の機能がストップしてしまうのです。
恒温動物である私たちは汗が生命線だと言ってもけして過言ではありません。
無汗症の恐怖
無汗症と汗の役割が明確になったところで「無汗症」の恐ろしさを知っておきましょう。
「汗をかかないって羨ましー！」なんて言えなくなります。
無汗症ではどれだけ暑くても、湿度が高くても汗をかきません。
すると体温調節が出来なくなった結果、以下のような症状が出ます。
・体温上昇
・頭痛
・吐き気、嘔吐
・動悸
・めまい、ふらつき
・脱力感
これだけでも相当ですね。
でも一番無汗症の人が気をつけたいのは「熱中症」です。
熱中症は毎年1000人近くの方が亡くなっている恐ろしい病気です。
2010年には1700名の方が亡くなりました。
無汗症の方はこの熱中症にとてもなりやすいのです。
つまり夏や高温多湿の状態であれば外出を控える必要があるため
ほぼ普通の生活が出来ません。
無汗症の方の対策
無汗症は令和元年の6月時点で患者数100人～200人と言われています。
もし身近に無汗症の方がいらっしゃったら周りの方の理解がとても
重要になります。
基本的に普通の方が汗をかき始める環境はNGゾーンです。
「暑い」「むしむしする」など感じたら無汗症の方にとっては地獄も同然。
なるべく風通しのよい快適な場所へ移動しましょう。
おそらく体温調節するための対策も無汗症の方なら本人で準備していると
思いますが、気配り心配りは必須です。
人の命に関わる事です。
今後出会う可能性もあるので大事な人を守れるよう知識はしっかり付けておきたいですね。
無汗症とは？まとめ
無汗症は多汗症と違って認知度が低く、誤解されやすい疾患であることがご理解頂けたでしょうか？
多汗症の方の悩みも尽きる事はありませんが、命に関わるという面では
無汗症の方が重度だと分かります。
多汗症の場合汗が出すぎる状態を恨む気持ちもありますが
もっとしんどい思いをされてる方もいるのです。
紳士に向き合い、今必要な対策をとっていくしかありませんね。
また、後天性がある以上はどんな方にも無汗症の可能性はあります。
知識のインプットは大事です！
無汗症の方は病院でしっかり診察を受けることが大事。
多汗症の方は制汗剤などを使用して対策をしましょう。
汗の悩みは深くなかなか理解されませんがそれでも付き合っていくしかないあなたの「個性」です。
前向きに生きていきましょう！
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
お役に立てれば幸いです。