手掌多汗症の原因って何?
手掌多汗症とはいわゆる「ひどい手汗」の事です。
手掌多汗症の方は、他人に理解されない悩みに苦しんでいます。
・原因はなんなのか?
私も手掌多汗症ですので非常に気になります。
今回は…
⇒自律神経?ストレス?遺伝?
・治療、改善方法は?
上記についてお話していきます。
手掌多汗症の原因は詳しく分かっていない?
結論だけを端的に述べると100%の原因は分かっていません。
例えば生まれつき手掌多汗症の症状があれば、つまり先天性の場合は「遺伝」による疾患だと言われています。
海外のデータで大本を特定できていませんが、手掌多汗症の症状がある方のご家族に同じ症状がある方がいた、という報告が60%ほどだそうです。
現在は遺伝子分析で原因遺伝子があるのでは?という研究が行われています。
手掌多汗症の症状が大人になってから出る場合、つまり後天性の場合は「甲状腺機能亢進症」か「更年期障害」が原因に挙げられるケースが多いそうです。
では、よく耳にする以下の手掌多汗症の原因例について深掘りしていきましょう。
・ストレスが原因?
手掌多汗症の原因は「自律神経」?
直接的に自律神経が手掌多汗症の原因というわけではありません。
自律神経である「交感神経」が働いた場合誰でも手に汗をかくのです。
(スポーツしている時や人前に出て緊張している時)
これを「精神性発汗」と言います。
ただ、手掌多汗症の症状がある方が交感神経優位になり、精神性発汗が起こった場合、尋常じゃない汗の量になるわけです。(本当にひどい有様です。)
水道で手を洗った直後みたいなレベルで汗をかきます。
人に見られたくないのでハンカチやタオルは手放せません。
この自立神経からの発汗は先天性、後天性どちらの多汗症でも促進され、手がびしゃびしゃになります。
つまり、自立神経は手掌多汗症の原因ではなく、汗が出る仕組みの一つである、というのが本質です。
手掌多汗症の原因は「ストレス」?
ストレスも実は先ほどの精神性発汗が促進されるパターンです。
ストレスにもたくさんの種類がありますが、人前に出る時の緊張やスポーツの試合前とか会社のプレゼンの前とか緊張すると誰でもストレスがかかり手汗をかきます。
これは交感神経が優位になり、精神性発汗が起こっている状態です。
なのでこちらも直接的な手掌多汗症の原因ではなく、汗が出る身体の仕組みの一つであり、多汗症の方には手汗が促進されるので悪化するシチュエーションという事になります。
手掌多汗症の治療はどのように行う?
以下は多汗症治療のアルゴリズムです。
※社団法人日本皮膚科学会より引用
治療には主に4つパターンがあります。
・局所注射療法(A型ボツリヌス毒素)
・内服薬(臭化プロバンテリン)による治療
・胸腔鏡下胸部交感神経切除術(手術)
それぞれ見ていきましょう。
外用薬(塩化アルミニウム)による治療
外用薬である塩化アルミニウムの塗布が第一治療です。
汗腺という汗が出る穴に小さな炎症を起こさせ汗の出る量を抑えるというものです。
ですので副作用は皮膚の発疹などが挙げられます。
こちらは悪化すればステロイドなどが処方されるので汗さえ止まれば対処可能な方法です。
病院でも処方される成分ですが、実は医薬部外品で塩化アルミニウムを使用した制汗剤が販売されています。
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局所注射療法(A型ボツリヌス毒素)
続いて治療の第二ステージです。
ボツリヌス毒素局注療法といいますが、日本ではあまり普及していません。ですが海外では推奨されている治療法です。
日本ではなんと保険適用外…
あまり現実的ではありませんね。
内服薬(臭化プロバンテリン)による治療
お薬ですね。
臭化プロバンテリン(プロバンサイン錠)です。
こちらは何種類かある内服薬のうち唯一の保険適応です。
アセチルコリンの働きを抑制し、発汗を抑えます。
しかし副作用が強いのが考え物…
・ドライアイ
・胃酸が減る
夏には熱中症も心配です。
適用するのは希だそうです。
胸腔鏡下胸部交感神経切除術(手術)
汗が出る仕組みは先ほど自律神経の交感神経が原因だと説明しました。
この手術は全身麻酔と内視鏡を使って胸の下の方からメスを入れ、左右の交感神経の3番目(Th3)を切除します。
傷口はほとんど残らず、病院によっては当日帰宅できる所もあるそうです。
※入院しても1日程度
手の平や脇に繋がる交感神経は胸の下にあります。
本来ここから出てくるはずだった汗が他の所から出てしまうのがこの手術の副作用です。
最近はドクターの腕次第でその他所からの発汗率は1%程度まで抑えられているそうですがまだまだ難しい手術です。
手掌多汗症の原因まとめ
ここまで手掌多汗症とその治療方法についてまとめてきました。
■手掌多汗症の原因
【後天性】他の疾患の可能性が高い
・自立神経はそもそも汗が出る仕組み
・ストレスは精神性発汗であり直接的な原因ではない
■治療方法
・局所注射療法(A型ボツリヌス毒素)
・内服薬(臭化プロバンテリン)による治療
・胸腔鏡下胸部交感神経切除術(手術)
私的には病院に行かなくても手に入る外用薬である「塩化アルミニウム」を使用した制汗剤、クリームを使用するのがおすすめです。
ランキングでいくつか制汗剤をまとめてますので是非ご覧ください。
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手掌多汗症の原因はまだ不明確ではありますが、どっちにしろ先ずは手汗を抑えないと通常の生活に支障があります。
まずは手掌多汗症の治療から考えていきましょう。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
お役に立てれば幸いです。